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更新日:2022年9月20日
9月20日、五小3年生を対象に、CAP教室が多目的室で開催されました。
「NPO法人市民共同学習プロジェクト子どもひろば」から、代表の高橋さんとスタッフの2名をゲストティーチャーにお迎えし、劇やカードなどを使ってCAPについてわかりやすく教えていただきました。
CAPとは「Child(子供)Assault(暴力)Prevention(防止)」の略で、子供があらゆる暴力から自分の心と身体を守るための方法を学ぶ、アメリカ発祥の参加体験型学習プログラムです。
自転車教室もあったように、3年生は行動範囲がぐっと広がる年代です。あらゆる暴力から守ってやりたくても、親の目は届きにくくなります。自分で自分を守るための方法、しっかり身につけて欲しいですね。
体を動かしたり、モデルシチュエーションに参加したり、具体的で能動的なプログラムで、子供たちは退屈することなく楽しく積極的に学びを深めました。
CAPプログラムは、私たちには「権利」がある、から始まります。特に大切な権利を3つ、ポーズと共に覚えます。
「安心」する権利 「自信」を持つ権利 「自由」に生きる権利
いじめや暴力はこの権利を奪います。権利を守るためにCAPは3つの選択肢を伝えます。
「NO」 いや、という。はっきり断る。
「GO」 逃げる。その場を離れる。
「TELL」 話す。相談する。
この大切な権利と権利を守る3つの選択肢を具体的に理解するための寸劇では、子供たちから「あー! 権利が奪われてる!!」と口々に声があがりました。
ちょっと難しい「権利」という言葉を、理解してすぐ使いこなしている姿に、子供たちの素直さと柔軟性を感じます。
【保護者向け大人ワークショップの内容】
児童のワークショップのあとは保護者向けの講座もありました。
知ってよかったと思える情報満載だったので、一部を要約してご紹介します。
子供たちは成長の過程で、特に男の子は男性ホルモンの影響もあって暴力性が強くなる場合がある。遊びでじゃれあっていたのが、いつのまにかいじめにシフトするケースもあり、まわりからは分かりづらいことも。
CAP発祥の地アメリカの銃乱射事件はいじめの被害者が起こしたケースが多い、というデータがある。日本の場合、刑務所入所者の50%は家庭内暴力などの被害にあった人だ、というデータも。このことから、いじめの被害者が加害者になっていく暴力の連鎖の構図がうかがえる。
こういった連鎖に巻き込まれないために、親が子供にできることを3つ。
① 危険を察知する能力を高める
そのためには、自然体験をさせるのが一番よい、とのこと。自然の中で遊んだり活動することで、直感力が高まり、危機を察知する能力が高まる。
② 危機回避能力をつける
趣味を持ち、いろいろな体験をさせることが有効。
③ 自己肯定感を育てる
自分を大切にできないと守る意識が育たない。昔から言われている「『つ』がつくまでは膝の上」という言葉は的を射ている。9歳くらいまでは愛情を十分に与えて自己肯定感を育んであげる。
また、親子でテレビのニュースを見て話題にすると、事件事故への免疫がつき、さまざまな事例を知ることができるのでおすすめ。
これから人生で一番難しい時期「思春期」を迎える子供たちは、なにか問題があって当たり前。口をきかなくなってきて反抗してみせても、内心は親の関心を惹きたいと思っている。
なるべく話し相手になってあげることで、子供の成長を促し、心を回復させ、癒やしになる。
思春期の子供にとって親は立派な存在でなくていい。弱みも出して等身大でいることで子供は相談しやすくなる。
「何かあったら言ってね」は、子供はあまり理解できていない場合がある。より具体的に「学校で嫌なことがあった?」と聞いてみるとよい。
最後に、子供向け、保護者向けの両方で強調されていたのは「やられた人は悪くない」ということ。
被害にあった自分を責めない。つらい思いをした被害にあった子供を責めないこと。「なぜ?」「どうして?」と言わない、とのことでした。胸に刻みたいと思います。
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