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更新日:2023年10月31日

偏見と差別のない社会へ

  副校長 三 宮 尚 子

 

 

  朝晩の寒暖差で、多くの木々が一気に秋の色になってきました。先週4・5年生の遠足の引率で「高尾山」に行った時にも、時折吹く秋の風がとても心地よかったです。電車を利用して高尾山まで行くときの公共のマナーがどちらの学年も非常によく、また5年生が4年生をリードしながらグループで行動している姿は、とても頼もしかったです。

 話は変わりますが、夏休みの研修で、私は国立ハンセン病資料館に行く機会がありました。この資料館の近くに私は小学校の時に住んでおりましたので、この施設について話には聞いていて、いつか見学してみたいと思っていました。ハンセン病は「らい菌」という細菌に感染することで引き起こされる感染症の一種です。日本はハンセン病が「恐ろしい伝染病である」としてその危険性を過度に協調して恐怖心をあおり、ハンセン病に対する偏見を国民に植え付けることを続けました。そのために患者が出た家は差別と排除の対象となり、離婚、失業、一家離散、一家心中、自殺に追い込まれることもあったという歴史がありました。強制隔離が続けられていた施設の様子や、実際にそこで暮らしている方のお話を動画で視聴して、人間のむごさを感じました。同じ人間としてこの世に生まれてきて、どうしてこんな偏見と差別を受けなければならなかったのか。いまだに差別を恐れて家族から患者が出たことをひた隠しにしている人がほとんどだという現実もあるようです。今は「ハンセン病」にかかる日本人は少人数で、たとえ感染しても発病することは稀です。

 現在の感染症として一番身近なのは、新型コロナウイルス感染症です。5類に移行し、実際に罹患された方が多い状況になってきました。新型コロナウイルス感染症に罹患するのがまだめずらしい頃は、「ハンセン病」と似たような差別があり、我々の生活も一変しました。その当時は東京都からも教職員向けに、新型コロナウイルス感染症に関連するいじめや偏見、差別意識をもつことは許されないことを理解させるとともに、医療従事者等への感謝の念を育むように指導もありました。このような感染症のことだけでなく、日常生活の中で人権上問題にあるような出来事に接した際に、「自分の大切さとともに他の人の大切さを認めること」を大切にすべての教育活動の基盤として、教職員は学級・学校づくりを心掛けていきたいと思います。保護者・地域の方々にもご協力いただきながら、子どもたちを見守っていただければ幸いです。

令和5年度七小通信11月号(PDF:369KB)

 

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