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更新日:2024年3月11日

地域の子どもを地域と共に育てる

校長  佐藤 勇人   

 先月の5日から6日にかけて、東京にも久しぶりの積雪がありました。6日の朝、校庭は真っ白になっていました。ウィンドバンドの子供たちが朝練習で早くから入舎するので、滑らないよう、門から昇降口までの雪かきを始めました。西門から西昇降口までの通路を確保した後に、東側に行きました。東門の前では、ご近所にお住まいの女性と青い服を着た近くのコンビニエンスストアにお勤めの男性が道路の雪かきをしていました。挨拶をして、東門の前の雪かきを始めると、その男性が一緒に門の前の雪かきを始めました。私が、門の前を終えて東昇降口までの通路を確保しようと中へ移動すると、その男性も入ってきました。「もう学校の敷地内ですので大丈夫です。ありがとうございます。」と、遠慮しましたが、「いやいや、たいへんでしょ。」と、ずんずん雪かきを進めてくださいました。しまいには、現在の2年生の教室前までどんどん進み、「通りの雪かきだけと思っていたんだけれど、ついつい。」と、何事もなかったかのように、お店に戻って行かれました。約30分の出来事でしたが、私は、とても温かい気持ちになり、この日一日をとても幸せな気持ちで過ごすことができました。

 近年では、SDGs(持続可能な開発目標)や企業の社会的な責任などの観点から、社会貢献活動に力を入れる企業が増えています。企業は社会的に大きな影響を与える存在であるので、影響に見合った社会的な責任をもつという考え方から、納税や雇用の創出による地域貢献だけではなく、より積極的な地域貢献を求められているからです。また、一方で、日本には、「売り手によし、買い手によし、世間によし」という「三方よし」という経営哲学も昔からあります。「自らの利益のみを追求することをよしとせず、社会の幸せを願う」というものです。「責任」や「影響」からの、言わば義務的な貢献だけではなく、社会の幸せを願う精神が、日本の企業の社会貢献のバックボーンにはあるようです。

 雪かきをしてくださった男性が、「企業による地域貢献」をどれだけ意識したかは、私にはわかりません。しかし、その男性の行為は「お店の売り上げやお客さんのため」を超えた行動であり、「みんなの幸せ」につながる温かさのこもったものだと、私は思わずにはいられませんでした。

 これを、学校に単純に当てはめることはできませんが、市立の学校の教育活動は、地域の子どもを育てるためのものですので、地域社会に貢献しなくてはならない営みです。ただ、単なる義務として行うのではなく、より積極的な地域貢献の意識をもっていくことが必要であると、私は思います。三鷹市では、学校教育の場において「個人と社会の幸せ(ウェルビーイング)の実現」「一人一人を大切にする教育の実現」「地域の共有地「コモンズ」としての学校、学校3部制の推進」を重点とし、「地域とともに、協働する教育を進める」ことを目標の一つに掲げています。第四小学校は来年度も、「自分で自分を伸ばし、みんなが楽しい生活を築く『夢育の学び舎』」を、目指す学校の姿として掲げ、学力・心力・体力の調和の取れた児童を児童同士や保護者・地域との関わりの中で育成していきます。地域の子どもたちを地域に貢献する人材として、保護者・地域の方と共に育てていくのだという意識をより強くもち、学校を核としてそこに集う人々が幸せを感じられるように努めていきたいと考えます。

 令和5年度もあと1月となりました。今年度も本校の教育活動に、ご理解ご協力いただき、ありがとうございました。令和6年度も、引き続き、よろしくお願いいたします。

四小だより(3月号)(PDF:357KB)

行事予定(3・4月)(PDF:134KB)

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