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更新日:2018年12月25日

【No.27】平成30年2学期終業式の講話

終業式

高山小屋上より見える大きなクリスマスツリー


 平成最後の12月、そして2学期の終業式に当たり、昨日(12月24日)、目に留まったある新聞(註)のコラムを読みたいと思います。


 クリスマスの物語を書きたい、と公園で考えていたら、見知らぬ犬が一冊の本をくわえてきた。その本を読むとこんな話だった。
 その犬は人になりたかった。人になって、おいしいものを食べる。暖かい帽子をかぶる。願いをかなえる太った男のうわさを聞いた。頼んでみよう。
 犬は太った男を捜そうと村へ出かけた。太った男は見つからないが、年老いた女に出会った。「クリスマスよ。あなたにも」。パンを一つくれた。裏通りでは若い男が犬に声を掛けた。「寒いだろう。クリスマスだ。この帽子をあげよう」。犬は大喜びした。パンに帽子、僕は人間になっていく。
 日が暮れた。雪が降ってきた。パンに帽子。けれど僕は人間にはなれない。街灯の下で泣いている女の子に会った。雪は強くなったが、帽子もコートもない。お母さんが帰ってくるのを待っているという。寒い夜に独りきり。犬はパンと帽子を女の子の足元にこっそりと置いて駆けだした。
 帰り道。ひどい吹雪になった。前へ進めない。寒い。おなかもすいたが、犬は女の子のことを考えた。あの帽子とパン。喜んでくれたかな。翌朝。人間の若者がそこに倒れていた。

 「悲しいよ」作家は本をくれた犬に言うと、まだ先があると教えてくれる。人になった犬はそれから、太った男の手伝いをしているそうだ。太った男と、やさしさと喜びを集め、足らない場所に配る仕事らしい。


 このお話は以上です。私はこのコラムにとても心を打たれました。「平成」という時代を振り返って、私たちは多くの災害を経験して、多くの命が失われ、数知れぬ人々が被害を受けました。とても悲しいことでした。しかし、その中で皆さんの心の中に助け合いの気持ち、思いやりの心が確かに育ち、根付いたように思います。
 「忠恕」という言葉があります。自分の心に誠実で、思いやりのある心のことです。
皆さんの心の中にも「忠恕」を育てて下さい。
お話を終わります、よいお年をお迎えください。2018.12.25(柳瀬)
(註)東京新聞「洗筆」

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