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更新日:2020年2月3日

                              待つ
                                                      副校長 三橋 智子


 この季節になると思い出される出来事があります。それは、ある女の子の書いた卒業文集の作文です。その女の子を仮に A 子さんとしましょう。作文は A 子さんが3年生のとき の思い出を書いたものでした。彼女は勉強はちょっと苦手だけれど、元気で活発なお子さんでした。ある日の下校途中の道で、ふと一軒のお宅の玄関先にある 、 きんかんの植木鉢が目にとまったのだそうです。つやつやとオレンジ色に光る小さな実を見ていた A 子さんは、なんとその実に向かって小石を投げ、実を落としてしまったのだそうです。当然、そのお宅の方は大変にお怒りにな りました。 A 子さんとお母さんが一緒に謝りに行ったのですが、その方の嘆きについて A 子さんは「そんなに怒らなくてもいいじゃない。」と思ったのだそうです 。その時 、お母さん は「あなたにはまだ分からないでしょう。」とおっしゃって、一株のきんかんの苗木を買い求め、 A 子さんに育てるようにと渡されたのだそうです。
 3年生のその日から、 A 子さんはきんかんの苗木に水をやり続けて世話をし、6年生になってようやく、ある日きんかんの小さな実がつきました。そして A 子さんは思ったそうです。お母さんが「あなたにはまだ分からない」と言った意味と、きんかんを育てていたお宅の方の気持ちがようやく分かったと。
 その作文の中で彼女は、将来は人 の役に立つ仕事をしたいと書いていました。彼女が人の役に立つ仕 事につくために、周りの友達が「 A 子さんのためなら」と快く勉強をみてくれて、とうとう彼女は今お医者さんとして活躍しています。
 相変わらず明るく元気でがんばっている A 子さんを見ていると、3年生のあのとき 、お母さんがしてくださったこと、言ってくださったことに感謝の気持ちでいっぱいになります。もしもあの時、お母さんがきんかんの植木鉢の持ち主のことを一言でも悪く言って A 子さんといっしょになっていたら、今の A 子さんはいるだろうか。もしもあの とき、お母さんがきんかんの苗木が育って A 子さんが人の気持ちが分かる まで待ってい てくれなかったら、人の役に立つ仕事をしたいと思い、成し遂げることができただろうか。
 彼女は この 出来事で、自分の思い通りにはならない他人の気持ちを思いやることのみならず、自分の気持ちの整理を自分でつけるという、大人でもできない人がいるような力を身につけることができたのだなと思います。
 小学生 は 多感で不安定で、ややもすると自己中心的にはしりがちな 時期です。私たち大人は、 自分と は 違う周りの人に 気付けるよう声をかけ、指導し、待っていくのだと思います。そして、気付い たなら、よりよいかかわり方や 心の成長に向けて、 また 指導し 、待って いくのだと、その重大さを日々感じています。

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