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更新日:2018年9月10日

新しい「学園の教育目標」を読み解く3 内藤和巳副学園長に聞く

教育目標の改定と学習指導要領改訂はつながっている

――三鷹の森学園CS委員会では昨年度、半年ほどかけて学園教育目標の改定をしました。内藤先生は4月から三鷹の森にいらしたので、改定作業に直接関わってはおられないわけですが、新目標と前の目標を見比べて、どのような点が大きく変わったと思われますか?

内藤:根本的なところは、新と旧でさほど変わっていないと思います。今回の改定には学習指導要領の改訂が影響していると考えています。学校教育は学習指導要領に基づいて行われています。指導要領をもとに教科書がつくられ、それをもとに授業を計画していくので、指導要領が変われば教科書も授業も変わってくるのです。
これまでの指導要領の改訂というのは、内容の増減や入れ替えが中心だったのですが、今回の改訂は、そういう内容や量の面ではなく、質の面で転換があったのです。現学習指導要領から新指導要領に向けて、未知なる未来を切り開く「資質・能力」を育てるということがいっそう強調されました。
たとえば、五小の教育目標は「つよく、やさしく、かんがえふかく」ですが、これは資質・能力として表現されていますよね。「進んで心と体をきたえる子」「思いやりの心をもち、互いに認め合う子」「自ら学び、考え、行動する子」というのは「子ども像」で表現されています。同じことを言っていますが、表現の仕方、関連づけ方が違うのです。

――資質・能力とは何なのでしょうか?

内藤:これは義務教育の目的から引用されている言葉です。人のもつ「性質・才能・態度・能力」などの総称であり、教育には先天的な資質・能力をさらに向上させ、一定の資質・能力を後天的に身につけさせるという二つの面があると考えられています。
もう一つ、私が新学習指導要領の一番の特色だと思うのは「見方・考え方を育てる」とはっきり言っていることです。すべての教科の目標に「見方・考え方を通して」という文言がついたんです。これは、私としてはとてもうれしいことで。
私も長年授業で教えてきましたが、やっぱり思うのですよ。これを教えていったい何の役に立つのかって。たとえば算数で台形の面積の求め方を教える。でも、その公式を社会に出てから使ったことがありますか? ないでしょう。じゃあなぜ教えるのか。それがわからないままにやっていたら、当然、学校での勉強は社会に出てから役に立ちませんよね。
でも、台形の面積の公式を求めることを通して、いろいろな見方や考え方が育つわけじゃないですか。習った図形に直してみようとか、今までこうだったからこれもこうじゃないかと推論するとか。筋道をたてて、Aを言うにはBを言えないとだめだと三段論法で考えるとか。これもプログラミング学習ですよ。実はそういうことをいっぱい行っていて、十分役に立っている。それを現場の先生が意識して、授業でももっとスポットライトをあててあげることがこれからの学習で一番大事だと思います。
指導要領改訂の背景には社会状況の変化、特に人工知能の進化ということがあるのかもしれません。しかし、思考の目的を考えたり、目的の良さや正しさ、美しさを判断するのは人間にしかできないことだと思います。それを前提として、「生きて働く『知識・技能』」「未知の状況にも対応できる『思考力・判断力・表現力等』」「学びを人生や社会に生かそうとする『学びに向かう力・人間性等』」の3つを柱とした資質・能力を育成しようというのが新指導要領の基本方針です。
もうひとつ、「社会に開かれた教育課程の重視」ということも言われていますが、これは三鷹ではコミュニティ・スクールで昔からやってきていることなので。

――その「社会に開かれた教育課程」なんですが、なぜ社会に開かれる必要があるのでしょうか?

内藤:私は「生きて働く学力」につながっていると思いますね。学校の中だけでできていても、社会に出て通用しなければ意味がない。と同時に、学校だけでやることには限界があるので、社会のサポートを受けましょうと。その2つの意味があると思います。学校が一人よがりに陥らないということと、社会から協力を得て教育内容を充実させましょうということですね。

――ありがとうございました。

(2018年7月3日、第五小学校校長室にて。取材=CS広報部)


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